サムライ君とメガネちゃん
もう、ワケ分かんない!

ここは…ひとまず逃げよう

逃げなくちゃ…!

逃げられない!

もう既に、人びとの輪に取り囲まれている

町人たちの…武士集団たちの、憎悪の輪に

ミハルちゃん!ミキちゃん!

この人たちに説明してよ!

私はどこにでもいる女子高生で…

チビで、奥手で…眼鏡かけてて…

おねがいっ!せつめいっ!してよっ!

コンコンチキチン、コンチキチン

コンコンチキチン、コンチキチン…

私の叫びは、お囃子に空しく消される

「壬生浪が、なんか言うてはりますえ?」

「ああほんま、おそろしおすなあ」

ミハルちゃん!ミキちゃん!

助けて!

人の輪は、やがて私を取り囲んだままぐる

ぐると回り始める
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