サムライ君とメガネちゃん
私は人の輪…渦の中心で、なすすべもなく立

ち尽くす

「幕府のイヌめ…」「人斬りめ…」「壬生浪

め…」

人々の声が、読経のように響き渡る

「マッサツだ!マッサツだ!

アッハハハハハ!」

レイコさんの高笑いが響く

私は人びとの顔を見る…表情がない!

顔色も土気色をしていて…

…もう、彼らは既に…人ではない!

目が落ちくぼんで…肉が無くなって…

骸骨だ!服を着ただけのガイコツだ!

「きゃああっ!」

声にならない叫び声をあげる

ガイコツの口から、蛇のようなものが出て

くる

何本も何本も出てくる!それは!

触手だ!蛇か、タコの足のような触手だ!

触手は何本も私を取り囲み、私の体に絡み

付く!
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