キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



そんな彼女だけじゃなくてもう一人、私のことを理解してくれる人がいた。



「…また美瑚は舞花の世話やきしてるのか?」


「…っ!さ、坂口先輩!」



後ろから覗きこまれて距離が近づく。
首筋に吐息がかかってくすぐったくてつい飛び退いてしまう。



それを見た先輩は吹き出して笑った。



「美瑚はほんとに面白い反応するよな~!」


「せ、先輩がいきなりやってくるからですよ……っ!」




坂口先輩。
私の理解者でもあり、私の初恋の人。



いつも明るくて時には優しく話を聞いてくれる。



私がお母さんのことで落ち込んでいたときも話を聞いてくれた。



「ついでに俺も美瑚に世話してもらおうかな!」


「な、!先輩は私がいなくてもできるじゃないですか!」


「美瑚はすごくおすすめ物件ですよ~!」


「ま、舞花…っ!」



さりげなく頭に置かれた手から先輩の熱を感じて体が熱くなる。



先輩が去っていくと私は立ってられなくて壁に沿って座り込んだ。



「よかったね美瑚!今日も先輩に会えて」


「う、うん。私、変な顔してなかった?大丈夫だった?」


「全然!むしろ可愛かったくらい!」



舞花は私と同じ目線になって笑顔を見せた。



親友である舞花はもちろん私が坂口先輩を好きなことを知っていて、いつも応援してくれた。


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