キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。



そんな親友がいたから私はこの恋を頑張って実らせようとしていた。
慣れないオシャレも化粧も頑張ろうって思えた。



全ては好きな先輩のため、そして応援してくれる親友のため。



でも災いは再び私の前に現れた。



私はあくびをしながら学校に向かって歩いていた。



「……あ、……」



反対側から歩いてくる坂口先輩を見つけた。



先輩は誰かと話をして笑っている。



友達かな?
その相手が学校の伸びた木で隠れてここからじゃよく見えない。



先輩との距離が近付いてくる度に見えてきたのは見知った彼女だった。



「…ど、して……」



どうして先輩と楽しそうに話ながら隣を歩いているの?



どうして先輩と手を繋いで隣を歩いているの?



どうして……



「あ、美瑚!おはよー!」



平然として私にいつものような日だまりの笑顔を浮かべているの?


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