キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
「家族と友人に二度裏切られて、もしかしたら三度目もあるかもしれないって自分の中で勝手に思い始めて。
ほら、よく言うでしょ?二度あることは三度あるって」
大好きだったお母さん。
私のことを理解してくれた親友。
私は大切な人に二度も裏切られた。
誰かと関わって裏切られるなら一人で生きてきた方がいい。
そう思うと次第に誰とも関わらずに一人でいるようになった。
もう誰かに裏切られるのはごめんなんだ。
「あーーーーー!」
「…っ!?」
いきなり唐木田さんは叫びながら私の隣まで走ってきた。
彼女は息が続くまで海に向かって叫んでいた。
叫び終わると大きく深呼吸をして私を真っ直ぐに見つめる。
その瞳には海と私が映っていた。