キミとまた違う未来で、この桜を見上げよう。
「…大丈夫か……って早坂?」
「…す、すみませ……え?」
私の体を支えてくれた人と言葉が重なった。
さらには名前を呼ばれて俯いていた顔を上げると、そこにいたのは広瀬くんだった。
私と目が合うと広瀬くんの表情が綻んだ。
「大丈夫か?どっか怪我しなかったか?」
「大丈夫。広瀬くんが支えてくれたから階段から落ちなくて済んだ」
「そりゃよかった!」
広瀬くんは輝かしい笑顔を浮かべた。
そしてその人柄のよさに亜沙美が彼を好きになるのが分かる気がした。
広瀬くんの視線は次に私の持ってる大量のノートへと向けられた。
「……それ、職員室持ってくの?」
「え、うん。……って持てるから…!」
「いいからいいから!女子にはこんなに重いだろ?」
私が答えた瞬間に広瀬くんは私が持っていたノートを半分以上持っていった。
30冊近くもあったノート。
広瀬くんが持ってくれたことで、私が持っているのはたったの数冊になってしまった。
「おーい、早坂ー!おいてくぞー!」
「……っ!」
いきなりのことに驚いて自分が持ってるノートを見てると、先を行ってしまった広瀬くんの声で我に返った。
私は慌てて広瀬くんの大きな背中を目指して走った。