泥酔ドクター拾いました。
□□

どうしてこうなってしまったんだろう。

冷えてしまった身体をシャワーで温めながら、私は大きなため息をひとつ吐く。


駐輪場で連続してくしゃみをしてしまった私を見て、大和田先生は呆れてしまったのか、小さく息を吐いたかと思うと、おもむろに私の手首を掴んだ。
「ちょっと来て」
「えっ?!」

動揺して身体をこわばらせた私のことなんてお構いなしに大和田先生は、私の手を握りマンションの階段をグイグイと引っ張って昇っていく。

「ちょっ、ちょっと待って。先生!!」

2階のフロアに着いた時には、自分の部屋に行こうと抵抗してみたものの、手を離してくれることはなくて、連れてこられたのは301号室の大和田先生の部屋だった。

玄関から入ってすぐ左側に取り付けられている浴室に直行させられ、今に至っている。
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