泥酔ドクター拾いました。
脱衣所も、浴室も私の部屋と同じタイプのものだから、使い勝手だって聞かなくたって分かる。まぁ、同じマンションの上下に住んでいるのだから当たり前なんだけど。

だけど、妙に緊張してしまうのは同じ間取りなのに、私のいつも使っているボディーソープやシャンプーではないから。
それに、髭剃りなんかが視界に入ってしまって、ここが男性の部屋――大和田先生の部屋なんだということを意識してしまう。


お風呂から上がったら、お礼を言ってすぐに帰ろう。

使い勝手だってよく分かっているはずのバスルームなのに、やっぱり自分の部屋のものじゃないからだろう。

なんとなくぼんやりする頭でそんなことを考えながら、私は寒気のする身体に熱いシャワーを浴びた。

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