泥酔ドクター拾いました。
脱衣所には、いつの間にか柔軟剤の匂いがふわりとする心地よい肌触りのバスタオルと、大和田先生のものと思われるTシャツとハーフパンツがきれいに折りたたんで準備してあった。
ずぶ濡れの自分の洋服を着るわけにもいかずに、少し恥ずかしくなりながらもその服を借りてきたのだった。


「お風呂、ありがとうございました……って、あれ?」

私の部屋と全く同じ間取りのバスルームから廊下に出て、数歩歩いてダイニングなっているはずの扉を開いた私は、固まってしまう。


玄関だって、廊下だって、浴室だって私の部屋と全く同じ間取りだったのに、その扉を開けた瞬間、私の目の前に広がっていたのは私の部屋とは比べ物にならない広さのダイニング、ううん、リビングと呼べるほどのものだったから。

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