泥酔ドクター拾いました。
藤代さんの勝ち誇ったような笑顔に、目の前のほのかの表情が一瞬にして強ばったのが見て取れる。

下唇を噛みしめて、両手は拳を握りしめていたけれど、わなわなと震えているようにも見える。

「そ、そういうことだから」

藤代さんのナイスアシストを無駄にしたくなくて、俺はほのかに冷たく言い放つ。

俺の言葉に目の前のほのかは、キッと怒りにも似た感情を込めた瞳で睨みつける。

睨みつけた相手は、俺ではなくて、藤代さん。
睨みつけられた藤代さんは、少しだけ肩を竦めてみせた。

ふと、ほのかの睨みつけた視線が驚きに変わり、両手で口元を押さえると、俺と藤代さんの顔を数回、交互に眺める。

「どうかしましたか?」
重たい空気を断ち切るように、余裕の笑顔でほのかに尋ねたのは藤代さん。

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