泥酔ドクター拾いました。
勢いのままに閉められたドアは、思いのほか大きな音を立てて閉まる。

その音を聞くなり、藤代さんはぐったりとしたように床に座り込んだ。

「怖かったぁ」

大きなため息を一緒に漏れた藤代さんの言葉。

「申し訳なかった。まさかほのかがあんなことするなんて思わなかったから」

彼女の言葉を前にして俺は深々と頭を下げる。
最低な男だと、卑怯な男だと、罵ってもらっても構わない。何の関係もない藤代さんをこんな目にあわせてしまったのだから。

「頭、あげてくださいよ。大和田先生」

床に座り込んだままの彼女が、俺を見上げるようにして口を開く。彼女の顔を見ると、うっすらと左頬が腫れている。



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