泥酔ドクター拾いました。
「じゃあ、なんで?」

彼女をなだめる様に尋ねると、藤代さんは小さく息を吐いた。

「俺にキスなんてしなければ、ほのかに叩かれることもなかっただろ?藤代さんが傷つくこともなかった」

息を吐いたまま一向に喋ろうとしない彼女を待ちきれずに、俺は畳みかけて、彼女を責めてしまう。

目の前の彼女がグッと唇をかみしめたのが分かった。


「別に、さっきのキスのせいで傷ついたわけじゃないです。私もいい大人ですけど、キスが減るものではないって分かっているけど、なりふり構わず誰にでもキスするわけじゃない。目の前で困っていたのが、大和田先生だったから!!」

俺だったから?

藤代さんが口にした言葉の意味を深く考えようとしたのだけれど、藤代さんの次の言葉に俺はそんな言葉の意味を考えることなんて吹き飛んでしまった。

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