泥酔ドクター拾いました。
「もう、この間から。本当にいい加減にっ」

彼が目を覚まして、意識だってはっきりとしたものだと思った私は、目の前の泥酔男に文句の1つでも言ってやろうと思っていたのに。


私の文句は彼のせいでかき消されてしまった。
一瞬何が起こったか分からなくて、頭が真っ白になった。


だって、彼が私の唇に唇を重ねてきたのだから。


彼の唇から、アルコールの強い匂いのする。
アルコールに弱いわけじゃない私だけれど、彼のアルコールの匂いに包まれて一気に頭がぼんやりとした。

息をするほどの熱いキスを落とされ、酸素を求める私の唇の隙間から、待ってましたとばかりに彼の舌は私の中へ入り込んでくる。
あっという間に私の舌を探し出すと、逃さないとばかりに舌を入れて絡めてくる。

「んっ…」

思わず声が漏れると、彼は少しだけ微笑んだ気がした。
その微笑みは爽やかでやっぱり色気があって、私は背筋がぞくりとする。

逃れようと思えば、離れればいいだけなのに、なぜかその場から動くことも出来ず体の力が抜けそうで、床にへたり込みそうになるのを彼が私の腰に回した手に力を込めて支えている。

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