泥酔ドクター拾いました。
デザートのクリームブリュレが運ばれてくると、ブリュレの皿の脇に飾られた花びらの中央にキラリと光るものが見える。


「えっ、これって…」

「マリッジリング。ずっと渡せてなかったから」


私の驚いた表情を満足そうに眺めながら、少しだけ恥ずかしそうに崇也さんが微笑む。

「で、でも。私、いらないって……」

付き合い始めてしばらくした頃、結婚を前提にしたいからって崇也さんがくれたエンゲージリング。

超高級ブランドのリングでつけることさえ躊躇った。仕事で指輪をつけることも出来ないから、私はその指輪だけで十分だって言っていたのに。

「奈緒が、そう言っても俺が納得出来ないから」

真っすぐな瞳で私を見つめてくる崇也さんに私は視線を反らせない。

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