泥酔ドクター拾いました。

彼の状態を確認した私は、キッチンでレモン水を作って彼の枕元に置く。
グラスに１杯だけ準備して、彼を叩き起こすようにして無理やり飲ませると彼は不機嫌そうな顔をしながらも喉仏を大きく上下させて飲み干した。

「少し落ち着きましたか？」

私の問いかけに小さく頷いた気がしたのは私の気のせいだろうか。

そう思えるほどに小さな反応だけを見せて彼は瞼を閉じると、すぐに規則的な寝息を立て始めた。

もう時計は、深夜3時になろうとしている。


私、こんな泥酔男のために何やってんだろう。


先ほどまでの苦しげな表情が少しだけ和らいだ寝顔を見せる目の前の彼を、私はベッドの横で眺めながら安堵感や疲労感が入り混じったため息をついた。