泥酔ドクター拾いました。
どこだ、ここ…。


辺りを見回すと白を基調としたシンプルな部屋。木目調の家具で統一され、ベッドの隣にある棚の上には多肉植物や雑貨が置かれている。


規則的な寝息を立てながら、横に寝ている女は、茶色いふんわりとしたパーマのかかっている柔らかな髪の毛に透き通るような白い肌。7分丈の真っ白なトップスに紺色のレギンスパンツを履いていて、真っ白なトップスは彼女の肌の白さを益々引き立てている。

モコだと思っていたのに、撫でていたのは見ず知らずの女だったせいで、驚いて手を引っ込めた。
すると彼女は、どうやら気がついたようで、ゆっくりと目を覚ました。


「あの、えっと…」

今自分が置かれている状況が全く理解できていない。
どうやら頭がパニックになると、人間は声なんて出ないらしい。


仕事でどんな緊急事態が起こっても、冷静沈着に対応しているっていうのに。


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