泥酔ドクター拾いました。
「ってことは、上の部屋に大和田先生が住んでいるってこと?」

私のため息なんて聞こえなかったらしい。

突然ひらめいたかのように美樹が言うから、私は小さく頷くと、美樹はキャーなんて黄色い乙女の声で興奮気味に叫ぶ。


この様子を見ると美樹だって、大和田先生に心を奪われた一人なんだろうな。
あの、厳しすぎる看護主任だって、大和田先生にはメロメロみたいで、瞳がハートになっていると評判だ。

噂では、すでに連絡先ゲットして食事に誘ったなんてことも言われている。

看護主任って、確か40歳後半でアラフィフだったような…、パワフルすぎる。

「まぁ、今日は居ないみたいだけどね」

大和田先生のいつもの黒光りする車、なかったし。


私が思い出したように美樹に教えると、美樹は明らかに落胆の表情を浮かべた。


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