泥酔ドクター拾いました。
整形外科病棟に足を踏み入れた時、俺は息を飲んだ。

変な汗が噴き出したと感じたのは、緊張のせいではなくて目の前の彼女のせい。


朝のミーティングでナースステーションに集まっていたナースの集団の中に居たのは、間違いなく201号室に住む彼女だった。

茶色のセミロングの髪の毛は、今朝見かけた姿と同じポニーテール。
青みがかった独特な色の真ん丸な瞳に目鼻立ちがくっきりとした顔。

同僚のナースの中でも背丈は高いほうではないけれど、上下ホワイトのナース服が彼女の肌の白さを際立たせていて、他のナースが視界に入っているはずなのに、そんなことはどうでもよくて。

俺は彼女に視線を奪われてしまった。


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