泥酔ドクター拾いました。
「今日から新都総合病院の整形外科医として赴任した大和田崇也です。」

簡単な自己紹介をした俺を、信じられないものでも見るような顔をして完全に固まっていた彼女。

周りのナースとお辞儀のタイミングだって明らかにズレていた様子を見ると、明らかに動揺していて、俺のことに完全に気が付いている様子だ。


ナースの勤務は、3交代と聞いていたおかげで何故彼女が不規則な生活を送っていたのかということが、はっきりと分かった。

まさか、201号室の彼女がこの病院のナースだったなんて想像もしていなかったけれど。
しかも、整形外科病棟に努めているだなんて。



それにまだ金曜日の出来事を直接謝罪すら出来ていないことだって、気がかりだった。

これから一緒に働いていくうえでも、早めに謝っておかないとな。

そんなことを考えながら、簡単な挨拶を済ませると外来を案内すると言い始めた院長の後ろを急いで追いかける。


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