泥酔ドクター拾いました。
「やっぱり何かあったんでしょ?」

屋上での出来事を思い出していると、私の動揺なんてお見通しとでも言うように、美樹は楽しそうに笑っている。

「だから、何もないってば」
私が口を尖らせて言うと、美樹はますます楽しそうに笑っている。

「そう?最初はあんなに嫌いだって言って大和田先生のこと避けていたのに、最近じゃ大和田先生とやけに距離が近い気がするんですけどぉ」

さすが、親友。鋭い。

確かに1カ月前の屋上での一件以来、大和田先生と私は自然に会話できるようになった。病院でも以前のように避けることもないし、マンションで時折すれ違ったら挨拶するようになった。

「それに奈緒は、大和田先生と喋っているときの目、ハートマークになってるよ!!」

「えっ!!嘘」

思わず両手で口を押えると、美樹はとうとう噴き出した。

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