キミの螺旋
「ただいま…」

「凛!おかえり。今日はバイトじゃなかったのか?」

「…ん」

部屋へ帰ると藤紀が出迎えてくれた。
サラが居ない時はいつも、どちらかが帰宅した時はキスしてた。

だけど今日は、そのつもりだった彼をさりげなく避けて、あたしは部屋の中へ入った。

「今日は…ちょっと休んだの。サラは…仕事行ってるよね?」

「うん。…凛、何かあったのか?」

「ううん。ちょっと…疲れただけ。ゴメン、お風呂入って先に寝るね」

心配そうな藤紀を置き去りにし、あたしはお風呂場へ向かった。

これだけテンションが低ければ、藤紀じゃなくても心配する。

わかってたけど…ホントに疲れてた。

相手してあげられなくて彼に悪い事した。
藤紀も気を悪くしたかもしれない…

でも…藤紀に触れられたくなかったの。

湯船をはる気力もなかったから、シャワーだけ浴びる事にした。

お湯を浴びても、肌寒い気がして温度を上げる。

…今日は色んな事があったな…

ホントに疲れた…

やっぱり…ダメかもしれない


あたしは胸が苦しくなって、浴室の隅にうずくまり頭から熱いシャワーを浴び続けた。


───気分はあれからずっと悪い…
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