キミの螺旋
「ゴメン…先生。責めるつもりじゃなかったの」

「いや、すまなかった。その部分も思い出したのなら…そう思って当然だろう」

「ううん、その事件の事だけ思い出してないの…だからね、何があったのか思い出したくて先生のトコに来たんだよ?」

「思い出してない?」

先生は身を乗り出して聞いた。

「両親の事は…今の親に聞いたの。墓参りにも行ったし新聞記事だって読んだ。だから事実だって知ってるけど…記憶がないの」

「そうか…そうか!イヤ、来てくれて良かった!きっと催眠療法で思い出せるハズだよ」

「う、うん…あたしもそうだといいなって思って…」

あたしは違和感を感じた。先生は…何故か異常に喜んでる気がしない?

だけど理由が見つからない。
ただ単に、あたしの記憶が戻った事によって治療が上手くいくって喜んでくれてるんだと思いたかった。

そして平田先生は治療を急いだ。

「すぐに催眠を試してみよう!」

「あ、それでね…彼女にそばに居てもらったら安心して上手くいくんじゃないかって思って来てもらったの。一緒でもいいかな…?」

「あぁ!なるほど。そうだね、いい案かもしれない。それなら彼女を連れてこよう」
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