キミの螺旋
先生は一見、落ち着いて見えるけど…慌てていたようにも思えた。

そして待合室にいるサラを招き入れる。

「じゃ凛ちゃん、いつものように長椅子に横になって。あぁ、工藤さんはこっちに座っててもらおうか」

そう言って先生はあたしが横になっている長椅子の左側に椅子を置いてサラを座らせた。

ここなら手が繋げるなって思った。

「サラ、手を繋いでもらってもいい?安心できる気がするの」

「うん。いいわよ」

あたしはサラが差し出した手を握った。長くて細い指。よく知ってるサラの手。

平田先生はあたしの右側に椅子を持ってきて座った。
照明を少し落とす。

落ち着いたところで静かに言った。

「じゃあ…始めよう」

あたしはうなずいた。

緊張していた…

これから何を見るのか、わからない…何も見えないかもしれないし、怖いものを見るかもしれない。

でもサラがいるから大丈夫…耐えられる。

そう思って、あたしの左手はサラの手を強く握った。
サラはあたしの手を両手で包み込むように握ってくれて…

安心できたの。

…行ってきます…

あたしは心の中でそう呟き

先生に誘導されて自分の中へ落ちていった…
< 322 / 398 >

この作品をシェア

pagetop