キミの螺旋
山本先生は、独白をするようにオレに話しかけていた。

オレは黙って、話しの終わりを探りながら聞いていた。

「刑務所がいっぱいになるだろ?そしたらまた新しいのを建てる。犯罪者をたくさん収容できる代わりに、そいつらに飯を食わさなきゃならない。人間を養っていかなきゃならない」

「…そうだな」

「すると、使われるのは税金だ。だけど犯罪者は減らないし、簡単に犯罪者を外に出すワケにもいかないし、死刑囚に刑を執行するのも簡単にできる話しじゃない」

「…それで?」

「だったらどうする?更生させて出すしかない。しかも再犯しないように、確実に・だ」

「…」

「それにはやはり今まで通り、未成年…まだ18歳未満くらいの方が柔順だ。それでテストケースを作る事にした。

サンプルをとる為には被験者は一般的に犯罪者となりやすいとされている経歴の人物を探した──例えば」

「幼児期に虐待されたヤツや……家族に恵まれなかったヤツとか」

他にもあるだろうけど
…つまり【オレ】だ。

「まぁ、そうだ。後は戸籍、引き取り手の問題だったが…都合良く北川さんが現れたってワケだ。多分…お偉いさん達が誘ったんだろうな」
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