キミの螺旋
──正直、迷ってた。

凛には二度と会わない方がいい。

会えば…陽菜の事を話してしまうから。
凛ばかりが被害者になるのは許せなかった。

それなりに、まだオレの中には憎しみが残ってる。

わかってたんだ
凛の両親を殺したって気が晴れる事はなかったってこと。

だから街をさ迷っていた。生きていく気力もなかったんだ。

なのに、また
出会った。

お互い、憎しみ合うだけだと思ったのに、凛が連れて行かれた時…

『助けたい』と、無意識に思ってた。

ああ───そうか、
オレは

凛にまだ恋してる。

まだ愛してる。

触れる度に、また恋をしてた。

心の一番奥の
総ての感情が生まれる場所に

この恋は大切にしまってあった。

多分、壊れない。

だけど憎しみが邪魔して、出せないようになってるんだ。

凛…もう愛し合えないなら、せめてお前を自由にするから

オレを忘れないで──






  「ズブリ…」




「…り…く…っ!!」

人の肉にナイフがのめり込む感触に、オレは我に返った。

オレの手から離れたナイフは、山本の身体に深々と突き刺さっていた。

オレは
奴が持ち出してきたナイフで逆に奴を刺したんだ。
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