オフィス・ムーン
「…そうよ。私、弟の事なんて彩にだって話した事はないのよ。でも、あの日貴方に話した。それに不思議な感覚だった…癒されて行くのが解ったわ。」
「…僕が弟に似てるからだろ。」
「…それが不思議なのよ。あの後から大輔が弟に似てるなんて思えなくなって…やっぱり貴方って不思議な…」
「…遥ががっかりするかと思って言えないでいたんだけどさ、本当は、僕…あの日の事 余り覚えて無いんだよ。ごめん」
「え?」
「…あの日、やっと大きな契約にこぎつけて…上からのプレッシャーも有ってその前日まで眠れなかったんで…睡魔に襲われてたんだ…」
「…くすっ…じゃあ やっぱり大輔に弟が降りて来てたのかもね。」
「…遥」
「…何も心配ないわ。誰も大輔への私の気持ちを変えれないもの。」
「強くなったね」
「あ、ご飯冷めちゃったわよ」
「僕も遥の両親をきっと好きになるよ。…初めてだよ。遥みたいな人。絶対に幸せにするよ。」
「今も幸せよ。」
「遥」
「…変な顔」
「ぷっ、お前もな」
遥は大輔の笑った顔を見るとうれしくなる。
「遥…」
「…大輔、やだ…ご飯冷め…」
大輔は遥にKissしてきた。大輔の手が遥のシャツの中に潜り込んできた。
「…ダメよ、まだシャワー浴びてない…」
「後で入ればいいじゃん」
二人は何時もよりちょっと激しくKissをした。大輔の手が遥のシャツに再び潜り込んで来て、さらに遥のブラジャーの中に入って来る。
遥の頬がほんのり赤くなる。二人の呼吸も乱れて来た…その時
玄関のチャイムがなった。
大輔がゆっくり遥から離れた。
「誰かきた」
「…いい、ほっとく…どうせセールスよ…止めないで」
大輔が遥にまたKissをした時、さっきと同じ様にチャイムがなる。
「…いいムードなのに」遥はケダルそうに身体を起こしたが髪や服が乱れている。
「僕が出るよ」
大輔が玄関に向かった。
「…え?」
「貴方、どなた?」
そこに中年の男女が立っていた。大輔はそれが遥の両親だとすぐに解った。ヤバイ…
「…有森といいます。あの、すぐに遥さん呼んできます。」
大輔は、かなり焦った。 「遥のご両親だよ。」
「え?やだ、本当?」
遥は乱れた髪や服をを慌てて整えた。
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