*ΒaD boY,SaD girL*
[Capricious]
辺りは暗くなってきて・・・

『そろそろ帰ろっか、送っていくよ』

がっついてるように見られるのも嫌だし一応おきまりのセリフ。

「・・・」

奈々子は哉未の言葉に寂しそうな顔をして俯いた。

『奈々子ちゃん?』

「・・・帰りたくな・・・い」

哉未の制服のそでを握り俯いた。
女の子にここまで言わせておいて断るのは男じゃない。
ってことで・・・行きつけのラブホ。
家じゃ真衣子に何いわれるか分からないしホテルは、いつもここを使っていた。


―ホテルの一室―

『初めてじゃないよな』

「はい・・・」

初めてだと後からイロイロ面倒くさい・・・部屋に入った途端の哉未の言葉に奈々子は小
さく頷いた。

〔まぁイィんぢゃね?〕

小さすぎない胸と白い肌と細いウエスト・・・そんな下着姿の奈々子を見ながら思う。
奈々子はというと緊張で体を硬直させてベッドの上に、ちょこんと座っていた。
こんなに純粋な態度をとる女の子は久しぶりだった。

〔こういうの新鮮かも〕

哉未は思わず口元がゆるむ。

『奈々子ちゃん・・・』

奈々子の頬に手をすべらし軽くキスをするとベッドに倒れ込んだ・・・

*
*
*
*

とりあえず行為後・・・奈々子はシャワーに行っている。
シャワーのざーざーという音がかすかに聞こえてくる。

〔また里沙にバレるのも時間の問題かなぁ〕

哉未は煙草を口にくわえ、使い終わったゴムを片づけながら人事のように、ぼんやり考えた。

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