*ΒaD boY,SaD girL*
[Dinner]
あの後、奈々子を駅まで送って別れた。

ガチャ―

家に帰るとキッチンからイイ匂い♪

〔飯でも作ってんのか?珍しいな。〕

『ただいま』

キッチンに繋がるリビングへ行き顔をのぞかせる・・・。

『「おかえり~」』

いっせいに真衣子と里沙が微笑みながら振り返った。

『何でいんのι』

里沙がいた事に少し驚きながら苦笑いした。
仲良くキッチンで料理していたらしい。

『何よ。いちゃダメなの』

里沙が明らかにムッとした顔をした。

「哉未!里沙は、あたしの娘同然なんだから」

『「ねぇ~♪」』

顔を見合わせて首を傾ける二人。まるで友達か本当の親子のようだ。

『じゃあ俺と里沙は兄弟かよι』

哉未は苦笑いしながら二人に背を向けリビングのソファーに座った。

〔…タイミングよすぎι〕
倦怠期といえ浮気した直後に彼女と顔を合わせるのは哉未であってもキツいものがあった。
その後、真衣子と里沙が作ったシチューとハンバーグとサラダで3人は夕食を済ませ
、哉未と里沙は、いつものように哉未の部屋に行った。

『あたし料理うまくなったよねー?』

里沙は自分で作ったハンバーグが上出来だったらしく満足そうに言いながら哉未のベッドに腰掛けた。

『ははは、いつでも嫁いけんじゃね?』

哉未は笑いながらテレビをつけると里沙の隣には座らずテレビの前に腰をおろした。

『・・・』

里沙はテレビの前でバラエティー番組を見ながらケラケラ笑っている哉未の背中を見つめる。

〔さすがに今日ばっかりはヤれねぇっつのι〕

背中に里沙の視線を感じながら平静を装っているつもりでも拓未は内心焦っていた。

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