*ΒaD boY,SaD girL*
[Smile]
ラッピングされた袋からかすかに甘い匂いが漂った。

「なに?なに貰ったのー??」

哉未の持ったラッピングされた袋をいち早く察知すると智貴が目を輝かす。

『マドレ・・・なんとかだって。』

哉未は笑いながら自分の席に座った。

『里沙は?』

キョロキョロと見渡すと里沙と舞美がいない。

「しんねぇ。便所じゃん?」

そう言いながらも智貴は哉未の手に持たれた袋が気になる様子。

「誰?」

哉未の隣で壁にもたれながら宇田が言った。

『奈々子ちゃん??』

ガサガサと音を立てながらラッピングを剥いでいく。

『お友達っすよ~♪・・・おっうまそ☆』

笑いながら中からマドレーヌを出す。

「・・・哉未・・・もしかしてすでに手だしちゃった系!?」

智貴が舞美の席に移動しつつ目を見開きながら言う。

『ともきちには話せない♪』

意味あり気な笑いに答えを言ってるも同然だった。

「くそぉ・・・何でいつもお前ばっかイイ思いすんだぁぁ!!!」

机に突っ伏しながら叫ぶ智貴。
それを、いつものように無表情で眺める宇田とマドレーヌにかじりつく哉未だった。

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