*ΒaD boY,SaD girL*
[Vexation]
久しぶりに朝早く目が覚めて、遅刻せずに学校に着いた。

『あー・・・マジだりっ』

哉未は自分の席でふんぞりがえって座っていた。

「哉未ぃぃ昨日なんで電話でなかったんだよぉ。いいビデオ手に入ったから教えようとしたのに」

智貴が前の席のイスに後ろ向きに跨って座りながら言った。

『うっせぇ。童貞は一人でマスかいてろ』

肩をならしながら腕をくむ。
無表情だけど何ともいえない近寄り難い雰囲気を出している。

「な、何だよ童貞てゆーなよぉー機嫌わりいな」

智貴は、ふてくされながらもこんな哉未を見るのは初めてで戸惑い気味だった。

ガラッ

「う~~~~す♪」

舞美が元気よく教室に入ってきた。
その後ろから無言でダルそうに宇田も入ってくる。

「宇田ぁ哉未が機嫌わりぃんだけど(;_;)こえぇよ」

智貴は宇田の姿を見つけた途端、宇田に寄り小声で言った。

「寒いからじゃねぇの?」

ボソっと呟く宇田。

「寒くて機嫌わるくなんのは、お前くらいだよッッι」

たまに天然発言をする宇田に呆れ気味で宇田をジトっと見上げた・・・ι

「哉未どしたぁ?」

舞美が哉未のあまりにも、おとなしいのを変に思い声をかけた。

『何でもねえよ』

そう言いながら机に頭を伏せた。
変な哉未・・・て言いながら、それから舞美は何も聞いてこなかった。

「あ~里沙ぁ♪今日は、はえーじゃん」

舞美の声に勢いよく頭をあげた。
目があうとムッとしながら目を逸らされた。

〔まだキレてんのかよ〕

イライラした。

『里沙』
席につき手鏡を見ている里沙に近寄った。
そんな哉未を里沙はシカトする。

『シカトすんなって』

苛立ちながら里沙の肩にふれる・・・その途端、眉間に皺をよせながら里沙が哉未に顔を
向けた。


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