*ΒaD boY,SaD girL*
[Declaration of war]
『ぇっくしッッ!!!』

〔さみ・・・教室帰ろ・・・日数たんねぇし・・・〕

哉未はくしゃみをしながら屋上を後にした。

教室は最悪だった。
周りの気の使った雰囲気
舞美は睨んでくるし授業中ずっと視線が痛かった。
智貴はオドオドしてるし。
宇田は何も言わなかったけど明らかに機嫌が悪かった。
そして反対に里沙の明るさに苛立ちを覚えた。
昼食の時は3人バラバラだった。
いつもは男3人で屋上とか会議室とか、たまに里沙たちと5人とか・・・でも今日は昼休みになった途端みんなバラバラだった。

〔俺が悪ものかよ(-_-;)〕

周りの視線を痛いほど感じる。

ガラっ

哉未がトイレに行こうと廊下にでると、ちょうど教室に入ろうとしている宇田とはち合わせる。

『・・・』

無言で立ち止まった哉未の横を通り過ぎようとする宇田。

「もう遠慮しないから」

宇田が、すれ違い際に呟いた。

『・・・は?』

突然のことに何が何だか分からず聞き返す。でも宇田は、それから何も言わず中に入ってしまった。

『わけわかんね・・・』

軽い溜め息をつくとポケットに手を突っ込み歩きだした。

『・・・』

ふと立ち止まって教室を振り返った・・・。

まさか・・・

『宇田・・・』

目を見開いた・・・驚きとショックを隠せなかった。
あの時、感じた“違和感”の理由が、疑問がとけた瞬間だった。


< 27 / 85 >

この作品をシェア

pagetop