*ΒaD boY,SaD girL*
[BoyFriendⅡ]
二人が別れても一目置かれていた哉未だったため変に噂される事はなかった。
そして別れてからの里沙は変わった様子もなく笑顔。
で哉未はというと・・・

「哉未、里沙と別れてから毎日、違う女の子つれてねぇ?」

智貴が哉未のいすに座り窓の淵に頬杖つきながら言う。
女の子と肩を組み門を潜っていく哉未を教室の窓で上から眺めていた。

「・・・・」

隣にいる宇田は壁によりかかり腕を組み何も言わず横目で外を眺めた。
教室に残っているのは二人だけ。

「哉未は別れた途端あぁだしさ・・・里沙は里沙でヘコんだ様子ねえしさ・・・」

「俺つきあった事なんかないから分かんねーけどさ。・・・あいつら冷めてるな。」

智貴がうつむきながら呟く。

「・・・冷めてんのかな?」

宇田が口を開いた。

「違うと思う・・・あいつらは不器用すぎんだ。」

そう言って宇田は外から視線を逸らし目を伏せた。

「宇田は何でも分かるんだな・・・俺、なんにも役にたててない。」

少し寂しそうな表情の智貴。
恋愛経験なんてない自分だけ、のけ者な気分だ。
でも智貴なりに二人の事を心配している。
でも哉未も里沙も何もいわない・・・だから何も聞かない。

「・・・変に気つかうよりか智貴は、いつもみたいにバカやってれば、それだけで哉未は
嬉しいんじゃねぇの?」

ふっと宇田がほほえむ。

「ひでぇーバカって。」

そう言って口を尖らせながらも少しホッとした智貴だった。

「なぁ・・・また前みたいに5人で遊んだりしたいな」

そう言って智貴が笑うと「そうだな」って言いながら宇田も笑った。

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