*ΒaD boY,SaD girL*
[Feeling#02]
「・・・・っ里沙は?」

息を切らしながらながら放った言葉に答えるものはなく舞美は、ただ乱れた呼吸を整えた。


side:舞美

家でテレビを見ていたら携帯の聞きなれた着メロが鳴った。
大音量の着メロ。
画面を確認せずに電話に出ると、いつにもなく低い宇田の声に用件を聞く前に不安がよぎる。

「里沙が・・・倒れた・・・。」

耳を疑った。
聞き間違えかと・・・。

今日の夕方は用事があるからって里沙の家の前で別れた。
里沙は、やっぱりいつもどおり笑ってて・・・なのに・・・。

無我夢中で智貴に電話した。
智貴がバイクで家に迎えにくると里沙達のいる病院に向かった。
その間ずっと「なんで?」が頭の中でグルグルしてた。

哉未に腹が立った。

里沙が倒れたのは、きっと哉未のせいだ。
会ったら殴ってやる
そう思ってた・・・。

でも・・・いざ病院につくと哉未のあまりにも脱力した様子に胸がいたんだ・・・。
表情は見えなかったけど哉未もつらそうに見えた・・・。

ねえ、里沙に何があったの?

口をひらけば押しつぶされそうな雰囲気に何も聞けずにいた。
舞美は唇をキュっと噛み締めると隣りにいた智貴の服の裾を握り締めた。


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