*ΒaD boY,SaD girL*
[Feeling#03]
服の裾を引かれて気がついた智貴は、ゆっくりと舞美の方に振り向いた。


side:智貴

どうすればいいか分からなかった。

あのいつも明るい舞美が、こんなにもシュンとしていて

いつも無表情の宇田がこんなにヘコんでて

そして・・・哉未のこんな様子は初めてだった。

誰かのせいにできたら楽なのに

でも、誰のせいでもなくて・・・

悔しいけど

やっぱり俺には何もできなくて

どうしようもなくて・・・

智貴は舞美から目をそらすとヘルメットを持ったまま俯いた。

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