*ΒaD boY,SaD girL*
[Weak]
哉未の後ろ姿を見届けながら舞美と智貴は宇田の隣りに座る。

「・・・里沙の親に連絡した方がいいかな・・・一応、未成年じゃん。」

舞美の今にも泣きそうな顔を横目に智貴が言う。

「・・・あいつんちの親、弟つれて九州いってるから・・・兄貴しかいないし」

宇田は静かに言う。

「うぅっ・・・」

舞美は涙を必死にこらえているが目からは涙がこぼれ出そうだった。

「舞美泣くなよ・・・。」

舞美につられて泣きそうになる智貴。

「あたしっ・・・」

「無理にでも聞いてあげれば、よかったっ・・・最近里沙の様子、変だったし、悔しい・・・。」

舞美は、とうとう我慢できず涙を流した。

「俺たち何にもできないんだな・・・ただ、こーやって待ってる事しかできない」

掠り声で言う智貴。

「・・・」

宇田は無言で二人の言葉に耳を傾けていた。

もう少し大人だったら解決方法は、あったのかな?

でも、まだ自分たちは“18歳”でどんなに、あがこうとどんなに大人ぶろうと子供で
悔しくてもどうしようもなくて弱くて・・・この時自分たちの非力さを実感した。

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