*ΒaD boY,SaD girL*
[The future]
それから体育館へ男女1列に並び入場する。
前の列に男子そして後ろの列に女子と言う形なので後ろの様子はよく分からない。
〔ちゃんと里沙きてんのかな…〕
哉未はボンヤリと考えていた。

『・・・』

それから式は淡々と進んでいくが哉未には卒業する実感なんて沸いてこなかった。

「須賀くん卒業したら何すんの?」

式の途中、隣りに座っているクラスメイトが小声で話かけてくる。
タイミングよく前では偉いらしい、おじさんが長々と祝辞をして眠くなってきたところだった。

『ん?バーテン』

哉未はアクビをしながら返事を返した。

「マジで!ハマりすぎだね」

『ははは。遊びに来てね(笑)』

哉未は笑いながらクラスメイトに半ば強制的な約束をしながらも頭の隅で里沙の事を考え
ていた。

そーいや里沙は卒業したら何するんだろう。

そんな話、一度もした事なかったな・・・今、思えば真面目に会話なんてした事なかったかもしれない。
哉未は足を組なおしながら目を伏せた。







「卒業証書授与」

司会の先生の声
その声に哉未は我にかえる。
〔やべι最近、意識とびすぎ〕
いつの間にか祝辞は終わって最後に近付いていた。
そしてクラス一人一人の名前が呼ばれる。

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