*ΒaD boY,SaD girL*
[MY MAN]
さらに1ヶ月後

哉未はグレイのスーツ姿でタバコをくわえポケットに手を突っ込み目的の場所へ歩いていた。
地は一面に青い芝で目的の場所は白い壁の建物。
外に、たくさんの祝いの花あった。

「哉未ーー」

白いスーツを着た懐かしい顔が手を大きく振りながら走ってきた。

『智貴!』

哉未は向こうから走ってくる智貴に思わず笑みがこぼれた。

「来てくれたんだな!ありがとう」

智貴は哉未の所まで走ってくると息をきらしながら微笑んだ。

『当たり前だろ?』

変わっていない智貴の姿に微笑みながら言った。

「つーか哉未ホストみたいだし(笑)」

哉未の姿を見てププッと吹き出す智貴。

『お前かわってねーなι』

そんな事いう智貴は本当に変わってない。そんな事を思い哉未は苦笑いした。

「哉未!智貴!」

二人が話をしていると後ろから低い大きな声で名前を呼ばれた。

「『宇田!』」

智貴と哉未の声が重なる。そこには、またまた懐かしい友の顔があった。

「宇田、マフィアのボスみたいだな(笑)」

宇田が二人に歩みよってきた途端また智貴が懲りずにそんな事を言う。
哉未は呆れた顔を浮かべチラリと智貴を見た。

「智貴は七五三みたいだな」

宇田が無表情で、さらりとそんな事を言うもんだから

『ぷっ七五三(笑)宇田の方が一枚上手だったな!』

哉未は思わず吹き出した。
そして昔に戻ったように三人、声を上げて笑った。
今、宇田は昼間は派遣の仕事をしながら夜はDJをしているらしい。
智貴は大学に通っていて、そのうち実家の会社をつぐらしい。
広い建物へ段々と人が集まってくる中で久しぶりに会う親友の顔に思わず笑みを浮かべ会っていなかった分を取り返すかのように3人は話こんでいた。

< 74 / 85 >

この作品をシェア

pagetop