魔法使いの巫女少女Ⅰ
未来は敵のアジト近くで静かに報告を聞いていた。
「やっぱりね。」
報告をしていたスキアが何のことかと首をかしげた。
「私一人に作られた場所かと思っていたけれど違ったみたいね。」
『どういうことでしょうか、姫。』
スキアが報告したものを地図に書き起こしながら言った。
「今、私たちがいる地点がここ。でも、彼らはここからさらに西に範囲を広げているわ。どうしてだと思う?」
『西に何か彼らにとって大切なものがあるからでしょうか?』
「そう、それに向かって彼らは勢力を広げているの。まぁ、何もないんだけどね。」
『…といいますと?』
「彼らが求めているものはね、もうその場所にはないってことよ。」
未来の言っていることがわからず、詳細を尋ねようとした時―
『姫。学園のほうから複数の気配がします。』
それを聞いて、未来は驚いた。
「まさか、式は今日から学園に行くように命令したはずよ?それに詳細は何も伝えてないから場所がわかるはずないわ。」
『それでも、こちらにまっすぐ向かってきています。この勢いならあと数分といったところでしょう。』
「すぐに移動しましょう。」
『彼らに何も言っていないのでしょう?助けを求めてみては?』
「馬鹿なこと言わないで、イブリース。私《わたくし》はみなを巻き込みたくないの。」
『!?思い出したのですか!』
しかし、未来は首をかしげていった。
「何を言っているの?スキア。」
『……いえ、なんでもありません。行きましょう。』
そういって、転移魔法を使って2人とも姿を消した。
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