生存税
ザーーー。
漫画の下書きを紙に、書いていると、雨音が窓の外から聞こえてきた。
そういえば、朝干した洗濯物がそのままだったことに気づく。
このままでは、せっかく干したものが濡れてしまう。
慌てて、ベランダの外に出て、洗濯物を家の中に放り込んだ。
気づくのが早かったおかげで、まだ少しくらいしか濡れていない。
「助かったぁ...。」
ベランダの窓を閉めようと、手を掛けた時だった。
この家の下に、青年が立っているのに気づく。傘もささず、茫然と下で立ち尽くしている。
隼の脳裏には、この間のグレンという青年が浮かんだ。
背格好もそっくりで、服もこの間と似ている黒を主張する服だ。
「なんで、こんな所に。」
とりあえず、そのまま突っ立っていて風邪でも引かれても困るので、ベランダの窓を閉め、彼の元に向かった。
でも、心のどこかで、すぐ家の外に居るのに早く彼に会いたいと願う自分がいた。
無意識に、階段を下りる足が速くなる。