生存税
「わかったなら、とっとと帰れ。」
「...今回は引き下がらせてもらいますが、次は無いですから。それに貴方は、誰も所詮守ることなんてできないんですから、やめたらどうですか?こんな事。」
「..早く行けっつってんだろ!」
アランが、今までにないくらいの怒鳴り声をドア越しの相手に向かって上げた。
奴らは、諦めたのかドアを一つ叩いて、鉄の階段を下りて行ったようだ。
「アラン、誰も守れないってどういうこと?」
タンスから静かに下りてアランに質問した。
「お前もうるせぇよ、早く勝手に寝ろ。」
アランは、タンスから毛布を引っ張りだすと、隼にかぶさるように放り投げた。
毛布の重みがずしりと身体に響く。
「ねぇ、アラン、過去に何かあったんでしょ?」
毛布からやっとの思いで顔を出すと、既にアランは目をつぶり床に寝ころんでいた。隼から顔を背け、話しかけるなオーラ満開で、隼は諦めた。
もし、過去に心を抉るような辛いことがあったとして、それを聞き出してしまうならば、僕は最低な人間だから。
またアランの心を抉ってしまうぐらいなら、僕はまだ目を瞑っておこう。