笑って、なんて。
「それは良かったです。今回、自信作だったので。……自分バラードが結構好きで、こういう切ない歌よく歌うんですよ」



「だけど、他の曲も歌ってたね!かっこいい感じのとか、可愛い感じのとか。たくさん」



「え!もしかして他の曲も聴いてくれたんですか!?」



「もちろんだよ!だって千歳ちゃん歌上手いし、それに…ファンになっちゃったもん」



そんなの…嬉しすぎるよ。


それに、『なっちゃったもん』って何!可愛すぎるよ…!


……こうやって私の歌で笑顔になってくれることすきだなぁ。


ピコンッとスマホから音が鳴った。



「ちょっと通知来たのでスマホ見ますね」



爽晴さんはわかったとだけ言って、薄く見える月を眺めた。


スマホを取り出し通知覧を見ると、ソウ君がツイートをしていた。


Twitterを開き、ツイートを見る。



「きたーー!」



静かに月を眺めていた爽晴さんは私の声に驚き、すぐさまこちらに目を向けた。


何が?と質問する爽晴さんに、



「私の憧れで大好きなソウという、歌い主さんが明日、新作出すらしいです!」



と答えた。



嬉しそうな表情が伝わったのか、爽晴さんも嬉しそうにそれはよかったねと言ってくれた。
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