青空の下で
それから、私は岬君を無意識に目で追ってしまう。



授業中はいつも居眠りしていることや、大きな鞄の中には部活動具が詰まっていること。



そして、放課後になると教室では見せない顔つきになる。



真剣で楽しそうで汗をキラキラさせながら、いつもボールを追いかけていた。



「紗枝ちゃん」



すっかり自分の世界に入っていた私はさっちゃんが近づいてきていた事にまったく気付かなかった。



「わっ!!ビックリした」



「最近、よく窓の外見てるなと思ったら、サッカー部見てたの?」



「えっ?!うん……一生懸命だなって思って」



「そっか。岬は中学のときから有名な選手なんだよ。だから、高校でも一年からレギュラー」



「すごいね」



「頭の中はサッカーのことしかないけどね」



すごいと思う。



私は諦めたから。



夢を途中で投げ出しちゃったから。



夢に向かって走り続ける岬君がたまらなく眩しく見えた。

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