青空の下で

その時、後ろから鞄が差し出された。



「あ、ありがとう」



岬君は鞄を開き、お財布を取れと鞄を差し出してくれている。



これじゃあ鞄は返してもらえない。



私はお財布だけを取り出して、リンゴ飴とイチゴ飴を買った。



「紗枝ちゃん二つも食べるの?!」



さっちゃんが不思議そうにこっちを見てるけど、説明するのが恥ずかしい。



「私は一つ」とそれだけ答えて、岬君のもとへと駆け寄った。



私に気づくとまた鞄を開いてくれる。



私は鞄の中にお財布をしまい、岬君を見上げた。



「甘いの嫌い?」



「好きだよ」



「これ好きなほう選んで」



私は迎えに来てくれたことや鞄を持ってくれたことのお礼にリンゴ飴とイチゴ飴を差し出した。



恥ずかしくて言葉に出来ない私の精一杯の感謝の気持ち。



「じゃあ、小さいほうで」と岬君は少しはにかみながら、イチゴ飴を手に取る。



さっちゃん達のもとへ戻ろうと思った私に「サンキュー」と言った岬君の顔は綺麗な笑顔で、胸が締め付けられるようだった。
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