青空の下で
さっちゃんから明日の連絡事項を聞いて、その日は別れた。



朝8時に学校に集合して、電車に乗る。



持ち物の分担や買出し担当のこと。



私達は水着選びに時間がかかってしまい、もう外は真っ暗。



さっちゃんはビキニとワンピースで悩んでしまって、私は花柄と黒で悩んで、なかなか会計を済ませられないでいた。



「さっちゃん、決めた?」



「まだ。紗枝ちゃんは?」



「花柄にする」



本当は花柄のワンピースが気に入っていたんだけど、さっちゃんに「大人っぽいほうが男は喜ぶよっ」て言われて悩んでいた。



でも、黒はやっぱり大人っぽすぎる。



もう少し大人になってから着る事にした。



「ウチ……やっぱりビキニにした!!」



レジに行こうとした私をさっちゃんが追い抜かしていく。



さっちゃんは大胆なデザインのビキニを抱きしめながら、「いつも春樹にガキ臭い水着って馬鹿にされるんだよね。だから今年は驚かせてやる!!」と意気込んで会計をしていた。



あの時のさっちゃんの顔を思い出しながら、私は自転車をこいだ。



春樹君達とってことは……岬君も来るのかな?



部活があるよね。



期待しては、それを打ち消して私はあまり眠れずに朝を迎えた。
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