炎のごとくっ!
出会いは砂嵐の如く
俺は祖父によって車で新しい土地に行っていた。

住み慣れた土地を離れ、田舎の過疎地域「鳥取」へ・・・。

鳥取と言えば野球後進県で近年では甲子園でも初戦負け、中国大会でも広島・岡山・山口には歯が立たない弱小県だ。

なんで俺がこんな県に引っ越さなきゃならないんだ・・・。

俺の夢は甲子園の名門に入って甲子園で出て、プロ入りする・・・それが昔からの夢だった。

俺は車の窓から外を見る。

・・・すんげぇド田舎だ。

てかさっきからコンビニを見かけない・・・どんだけ田舎なんだよ。

景色もさっきから畑・田んぼ・山で自然に恵まれているが、つまらないところだなと・・・。

「面白くねぇな・・・」

「お兄ちゃん、そういう事言うのダメっ!いくら田舎でも考えようによっては楽しいところになるかもよ?」

「何言ってんだ。俺には野球しかねぇんだよ。野球の勝負以外に面白いことなんかあるかよ」

そう言い放つ俺は、鳥取に来たことに絶望していた。

妹の柚だけは楽しそうにしてやがるが俺にそんな前向きな考えは出来なかった。

そう・・・俺には野球しか無い。俺は強打者との勝負・・・駆け引き以外楽しいと感じない。

鳥取に俺を驚かせる様な・・・恐怖させる様な打者がいるとは到底思えなかった。



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