オリオン

「ミナは相変わらず、男前だな」



茶化すように笑うシンが愛おしい。



「うるせぇー。それよりなんでオリオンなの?」



「子供の頃、星座の絵本が好きだったんだ。その中でもオリオンが好きだった」



「オリオンの話し聞かせて」



“オリオン”の話……



それはシンの生き様?



それとも願望?



私はそんなものいらない。



ただ側にいて、小さな幸せを二人で感じていたかった。

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