オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
ちゃんと覚えていたような反応だけれど、テンションは低い。なんだか、苦々しい記憶でも思い返しているような様子だ。
あの時は社内総出の大所帯で大騒ぎしたからな。そういうのが好きではなさそうな向居には、厄介な思い出くらいにしか残っていないのかも。

けど私には、実に甘酸っぱい思い出だ。


「実はね、その日が基樹と『付き合おうか』ってなった日だったんだよねー」

「……」

「うわ、ひいたでしょ」

「別に」


その素っ気ない反応、絶対ひいてるな。
向居って他人の恋愛なんてまったく興味ありません、って感じだもんな。

けど切り出してしまった以上、引っ込ませるわけにはいかない。私は一気に早口で続けた。


「入社時から気が合ってつるんでたんだけどねー、なんて言うか若気の至りと言うかお花見のハイテンションのせいと言うか、じゃあ付き合っちゃおうかー! って勢いでなっちゃって」

「おまえと恒田っていつもハイテンションだったよな。仕事もハイテンションで臨んで失敗して、めげずにハイテンションで次に行くって感じで、似た者同士だったもんな」

「それ、バカにしてるー??」

「してないしてない」
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