オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
かぶりを振ってみせる向居だったけれど、やっぱりどこか素っ気ない。
どうせ似た者同士のバカップルは~とかって思ってるのかしらね。


「まぁね、とにかく若かったし学生気分が抜けていなかったのね」

「二年目だったけどな」

「言うな! でもね、あの時のお花見でのハイテンションがなかったら、今はどうなっていたのかな、って思うと感慨深いんだ。なんだかんだで、五年も続いたんだから」


私と基樹、もちろん最初は上手くいっていた。社内でもよく冷やかされるくらい、仲が良くて笑ってばっかりのカップルだった。
今はこんなことになってしまったけれど…基樹との思い出は、確かに幸せなものだった。


「友達から始まった関係だったけれど、基樹との生活はけっこう楽しかったんだ。付き合い始めて数年は基樹もまだ企画営業を目指して躍起になっていて、私とはライバルというよりは仲間のような関係で、一緒に好きな旅行のことを四六時中考えては、同じものを目指していた」

「ごちそうさま」

「棒読みですけどー。絶対ばかにしてるー」

「してないよ。ま、でも結局、企画営業に昇進できたのは都だけだったんだろ」

「…まぁね」


他人の恋愛話ほどつまらないものはない、とでも言いたげに、向居はさっさと結末を言って私ののろけ話を終了させた。なによ、ケチ向居。
…って、まぁそうよね。今はすっかり無惨にすれ違ってしまったカップルの安っぽい思い出話なんて、話すこっちも空しくなってくるわ。
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