オプションは偽装交際!~大キライ同期とラブ・トラベル!?~
家と会社の往復の中で追い求めたのは、仕事のやりがいとその成果だった。
進んでは止まる。進もうとしても下手したら戻る。そんな苦労の毎日の中でも、それでも一歩一歩進んでいく自分を感じるのが好きだったし、楽しみだった。
けど、時折不安に思った。
私、これだけだな。
って。
私このまま仕事だけしていていいのかな、って。
結婚をして、新しいステージで新しい人生を送り始めた子が出てきていた。
結婚を機に多忙な旅行業界に見切りをつけ、家庭と仕事を両立できる業種で新たに輝き始めた同期。出産を機に潔く仕事をやめて、夫と子のためだけに生きる喜びを謳歌する友達。
みんな、仕事だけではない、新たなステージに立って経験や発見をし、喜んだり苦しんだりして成長していった。変わっていった。
でも私は、変わらず仕事だけ。
仕事は大好き。けれど、そういう子たちを眼前にすると、置いてきぼりを食ったような気がして怖かった。
こんなに仕事が楽しくて、こんなに充実しているのに、そんなこと考えるなんてわがままだと思った。
でも、だめだった。
だってそういう子たちは、独りじゃなかったから。
自分や仕事だけじゃなくて、誰かと一緒に生きていたから。
だからせめて恋人を失いたくなかった。
恋人という存在を失いたくなかった。それを失えば、完全に取り残された独りぼっちになってしまうような気がしたから。
そう、いつからか基樹は、そんな弱い私の精神安定剤でしかなくなっていたんだ。
最悪だな、私。
進んでは止まる。進もうとしても下手したら戻る。そんな苦労の毎日の中でも、それでも一歩一歩進んでいく自分を感じるのが好きだったし、楽しみだった。
けど、時折不安に思った。
私、これだけだな。
って。
私このまま仕事だけしていていいのかな、って。
結婚をして、新しいステージで新しい人生を送り始めた子が出てきていた。
結婚を機に多忙な旅行業界に見切りをつけ、家庭と仕事を両立できる業種で新たに輝き始めた同期。出産を機に潔く仕事をやめて、夫と子のためだけに生きる喜びを謳歌する友達。
みんな、仕事だけではない、新たなステージに立って経験や発見をし、喜んだり苦しんだりして成長していった。変わっていった。
でも私は、変わらず仕事だけ。
仕事は大好き。けれど、そういう子たちを眼前にすると、置いてきぼりを食ったような気がして怖かった。
こんなに仕事が楽しくて、こんなに充実しているのに、そんなこと考えるなんてわがままだと思った。
でも、だめだった。
だってそういう子たちは、独りじゃなかったから。
自分や仕事だけじゃなくて、誰かと一緒に生きていたから。
だからせめて恋人を失いたくなかった。
恋人という存在を失いたくなかった。それを失えば、完全に取り残された独りぼっちになってしまうような気がしたから。
そう、いつからか基樹は、そんな弱い私の精神安定剤でしかなくなっていたんだ。
最悪だな、私。