空に虹を描くまで
「そうだよ、こうゆーのは男手に任せな」
おじさんはそう言うと、スタスタと工房から梓さんと一緒に出て行った。
「俺らも行こうか」
「あ、うん」
陵から3歩ほど離れてから、わたしも歩き出した。
目には陵の背中が映る。
すごく広くて逞しく思えた。
陵がパッとわたしの方を振り返った。
ちょうど陵のことを見て歩いていたわたしと目が合う。
突然の振り返りに驚いて、焦った。
「ん?」
目が合いわたしがそう聞くと、陵も慌てたように目を逸らした。
「いや…いつも何か話してるから、珍しいなと思って」
その言葉を聞くと、小走りをして陵の隣に寄り添った。
「陵の背中に見惚れたの。…なんてね」
そう言って陵に微笑みかけた。